現役探偵が語る「高所得転職者の入社前調査 ~その知られざる実態~」第9話 

現役探偵が語る「高所得転職者の入社前調査 ~その知られざる実態~」第9話

現役探偵が語る「高所得転職者の入社前調査 ~その知られざる実態~」
探偵がネットから人物調査をする方法
入社志望者の借金は? 素行は? 経歴は本当?
などなど、採用企業が本気でお金をかければ調べられないことはありません。

高額所得者を雇うからこそ、志望者への調査は仔細に渡ります。調査の現場では、果たして何を調べられているのでしょうか?その方法とは一体どのようなものでしょうか?

本シリーズでは、実際にあった入社前調査の実例を、現役探偵が語ります。
探偵がネットから人物調査をする方法

■候補者のサイトから調査ニーズが発生

これを読んでいるアナタが、これから一緒に仕事を始める人に求めることは何でしょうか。正しい住所? 借金の有無? 家族構成? そんなはずはありませんよね。

八割ぐらいの方が一番大事だと思うのは「人柄」ではないでしょうか。たとえかつて大病を患っていたとしても、お金がなかったとしても、通常はそれに気付きません。逆にお金持ちで高学歴でも、自己顕示欲の塊のような人と一緒に仕事をするのは苦痛となるでしょう。

採用面接時には当然良い面だけを見て欲しいわけですから、応募者たちは愛想よく、誠実さをアピールします。採用担当者もプロですが、キャリア採用に圧迫面接はあり得ませんので、感情の振り幅の大きい新卒よりも人物像の見極めはさらに難しくなります。

キャリア採用は積極性を評価する傾向が強いので、自己主張は大いに結構なのですが、ごくまれにブログのURLやツイッターのIDを履歴書に載せてしまう人がいます。しかし、これはいただけません。探偵の私から言わせていただければ、個人情報は極力出さないに越したことはないのです。

ヘッドハントの場合などは、先に採用担当者のほうが候補者のサイト(ブログ、mixi、ツイッターなど)を知っているケースもあり、そこから調査のニーズが発生します。

■調査対象はブログの登場人物

依頼者も普通に読めるものを、探偵を使ってまで何を調べるのかと言いますと、応募者ではなくブログに登場する人物です。採用担当者からは「○月○日の日記に登場するこの人物が誰なのかを当たってくれ」と連絡があり、そこにはゴルフ場であったりホームパーティーの会場が写っていたりします。

ブログを隅から隅まで読みこみ、その写真の人物名を特定。応募者の趣味がゴルフだった場合、オーダーによってはゴルフ場まで尾行するケースもあります。行きは候補者、帰りは同行者の車を追いかけ、自宅を特定したりなど。これは社長候補の場合限定だったりしますが、接触する場面を捕捉するにはスポーツイベントは非常に有効です。

例えば対象者たちが野球やサッカーを見にいった場合、探偵は思いっきり彼らの一列前に陣取ります。後ろよりも前で聴くほうが会話は聞き取りやすいので、尾行要員ではない若手探偵に売店で買ってきたユニフォームを着せてICレコーダーを背中に装着させます。装着といっても、ユニフォームの下で胸ポケット付きのTシャツを前後逆に着せるだけなのですが。

■担当者はブログを見て不採用を決めることもある

また、ブログに室内で撮影された画像が載っている場合、画像位置情報解析ツールを使用して場所を特定します。その写真がiPhoneで撮影されていれば、googleマップ付きで、ほぼ100%建物単位の特定が可能です。このツール(無料!)のことを知っているブログ更新大好きな女性アイドルはどれぐらいいるのだろうかと、他人ごとながら心配になります。

話を戻しましょう。男性に限っていえば、ブログで名前や顔写真を曝してしまう人は、30代後半の世代から激増します。ネットの怖さを知らない世代というわけではないのでしょうが、これは自己顕示欲が勝ってしまうことと、誹謗中傷を気にしないメンタリティによるものと思われます。しかしそこには個人情報が溢れています。mixiで悪さを自慢げに書いて個人名特定されて退学、なんてよく聞く話は素人でも個人の特定が出来ることの証明に他なりません。

探偵を雇うまでもなく、担当者がブログを見て不採用を決めたという話もよく聞きます。 ブログは使い方によって毒にも薬にもなります。加工もしないで友人の写真を「○○社の■■さん」と掲載して、結果として迷惑をかけてしまうこともあるのですから、どうせやるなら自分をさりげなく売り込むツールと割り切って書いてみてください。通りすがりの人のコメントにムキになって反論しているあなたの攻撃的な文面を、採用担当者もしっかり見ていますよ。

■著者プロフィール
木島球六(きじま・きゅうろく)(仮名)

大学卒業後、某酒造系メーカーに就職。営業マンとしてそこそこの実績をあげていたが、だいぶ仕事に飽き始めていたところ、ある日ポストに入っていた「探偵募集」のチラシが目に入る。興味本位で探偵事務所を訪問してから早10年。今では事務所で一番のベテランとなっている。年間250本の調査依頼をこなす傍ら、採用責任者として年間50人以上の探偵志望者の面接も行っている。

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